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ソラ君2021.02.19
生後約9か月のラフコリーのソラ君
今日は去勢手術を行いました。
ただ・・・ソラ君の精巣は陰嚢内にはありません。
停留精巣のため腹腔内に精巣があるため女の子の避妊手術と同じように開腹手術を行いました。
通常、精巣は胎児期には腹腔内にあり生後約1か月ごろ鼠径管を通り6~8週間ごろ陰嚢内に降下します。
しかし鼠径管の発達が悪かったり、 精巣が下降する時に必要なホルモンの分泌障害 などにより精巣が下降できず腹腔内や鼠径部にとどまってしまうことが原因で停留精巣にとなります。
停留精巣からの精子の産生はありません。
また男性ホルモンの分泌も低下していることが多いです。
片側のみ停留精巣の場合は繁殖能力はありますが、両側性の場合は繁殖能力はありません。
停留精巣は遺伝することがありますので繁殖には適していません。
停留精巣が原因ですぐに体調を崩すことはありませんが、精巣腫瘍になりやすく
停留睾丸ではない未去勢のオス犬に比べて6〜10倍の発生率と言われています。
また腫瘍化した精巣から 女性ホルモンのエストロジェンが分泌されて脱毛や乳房発達、骨髄が抑制されることで、貧血が起きる場合もあります。
停留精巣はソラちゃんのような大型犬では比較発生率は低いですが小型犬ではよく遭遇する疾患です。
腫瘍化する前に手術をすることをお勧めいたします。